出典:益子語り部の会編集「益子の民話第二集」より
今から何百年も昔の話です。
益子町の大沢に「おたけさん」という人がいました。
おたけさんはとても働き者で、ほかの人が嫌がるようなことでも快く引き受け、尚且つとても物を大事にする人でした。
流しの排水口には袋を取り付けて、そこに溜まっていくお米は一粒だとしても拾って無駄にしない人でした。
そんなおたけさんが亡くなった時に不思議なことが起こりました。
おたけさんの背中からからきらきらと後光がさしてきました。
家族は驚いて「おたけさんはきっと観音様になったに違いない」とありがたく思い、すぐにお堂を建てて観音様になったおたけさんを祭りました。
今でも「おたけ観音」として大沢地区に祭られています。
おしまい